気相gas-treatment
ガス分離(CMS)
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分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )を使ったPSA(圧力スウィング吸着)装置により、空気中から高濃度の窒素ガスを分離することができます。
CMS

CMSは、窒素生成のためのPSAプラントにおいて不可欠な要素です。PSAプロセスは、貯蔵タンク、パイプライン、タンカーの窒素保持、生鮮食品や飲料の加工・貯蔵、金属の熱処理、プラスチックや繊維の加工、マイクロチップ製造など、その他多くの用途において、低コストで自社内での独立した窒素供給を可能にします。
PSA法の特徴
活性炭においてガスの吸着量は温度、ガス全圧、組成ガスの分圧(濃度)及び吸着速度等などに影響されます。これらののうち、圧力をスイングさせる手法が圧力スウィング吸着(Pressure Swing Adsorption, PSA)です。吸着量は圧力が高いと多く、圧力が低いと少なくなりますので、昇圧状態で吸着させたものを、減圧することで脱離させることができます。PSAは熱エネルギーを必要とせず、昇圧や減圧で吸脱着の条件を変動するためにスウィングサイクルの高速化が可能です。図に、常圧再生式PSAの基本フローを示します。原料ガスは一旦昇圧された後、CMSが充填された吸着塔Aに導かれ、加圧下で吸着されやすい成分が吸着されている間、吸着されにくい成分が製品ガスとして塔外へ取り出されます。吸着塔Aの出口側において吸着されやすい成分が漏れてきたら、吸着塔Bに運転を切り替え、吸着塔Aの圧力を下げます。すると、吸着塔Aに吸着されていた成分がそれぞれ脱離して、また吸着可能な状態になります。これを切り替えることで気体の成分を連続的に分けることができます。


CMSを用いたPSA法による窒素-酸素の分離
酸素と窒素のそれぞれの大きさは図に示す通りであり、そのサイズ差はごくわずかです。大阪ガスケミカルの「モルシーボン」は細孔直径を精密に調整してあるため、窒素と酸素の分離性能が高く、高性能のPSA用吸着剤としてご使用いただいています。


窒素と酸素の分離性能が高い大阪ガスケミカルのCMSによる分離イメージ
大阪ガスケミカルのCMS取扱品目(一部を表示)


関連する論文と掲載紙のご紹介
ACS Applied Materials & Interfaces
April 20, 2022Volume 14, Issue 15Pages 16959-18004
https://pubs.acs.org/toc/aamick/14/15
概要
プロピレンとプロパンを効率的かつ高純度に分離できるCMS(Carbon Molecular Shieve)の合成とその分離機構の解明を目的として、過去の研究 https://doi.org/10.1016/j.carbon.2018.10.021 で得られた知見を基にCMSの合成実験とCVD(Chemical Vapor Deposition)シミュレーションを用いた検討を実施した。
CMSの合成実験、CVDシミュレーションおよびシンプルモデルによる解析を行った結果、プロピレンとプロパンの分離特性に関して以下の3つのことを解明した。
1つ目はCVD時の炭素導入量により分離特性を制御可能であること。2つ目はCMSの細孔入口径の精密な制御が重要であること。3つ目はCMSの細孔入口のアスペクト比の制御が重要であり、具体的には細孔入口の形状がスリット状よりも正方形状の方が好ましいこと。これらの成果よりプロパンとプロピレンの混合ガス中においてプロピレンのみを選択的に吸着するCMSの合成に成功した。
背景
PSA(Pressure Swing Adsorption)法は、圧力の変化を利用して吸着剤でのガスの吸着・脱離を行うガス吸着法の一つである。PSA法は、従来の混合ガスを大がかりな装置にて高圧下で蒸留し、沸点の差を利用してプロピレンとプロパンを分離し取り出す方法と比較すると大幅なコストダウンが可能である。大阪ガスケミカルでは、石油精製時や原料油の熱分解時に発生する混合ガスの中からプロピレンとプロパンを選択的に取り出すためのCMSの開発に取り組んでいる。
ACS Applied Materials & Interfaces は、アメリカ化学会(American Chemical Society, ACS)が発行する、科学と工学の分野を横断する学術雑誌です。この雑誌は、新しい素材がどのように作られ、何に応用できるかという研究に焦点を当てています。具体的には、化学、物理学、生物学、工学などの様々な分野で開発された新素材が、エレクトロニクス、エネルギー貯蔵、バイオテクノロジー、環境浄化といった現実世界の課題解決にどのように役立つかを探求する論文を掲載しています。
Carbon
Volume 141, January 2019, Pages 626-634
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2018.10.021
概要
気相分離用のカーボンモレキュラーシーブ(CMS)の合成の設計ガイドラインを探るため、コンピュータ上で分子の挙動をシミュレーションしたり大量のデータを解析した。その結果、CMS細孔口径サイズや形状および拡散速度を加味した理想的な炭素細孔構造を構築することができた。
背景
CMSは、その細孔口径のサイズがターゲットの吸着物分子に適合するように精密に設計・調整された多孔質炭素材料で、ターゲットの吸着分子サイズごとに反応速度が異なる性質を利用した吸着法(=圧力スイング吸着)で用いられる。今後ますます様々な用途において種々のガス混合物の分離にCMSを活用していくためには、ガス分離機構をより深く理解し最適なCMS合成をする必要があり、そのための設計ガイドラインを策定することは大変重要といえる。
「Carbon」誌について
炭素でできた様々な材料の研究について発表する、世界中の専門家が集まる科学雑誌。発行元はエルゼビア。
エルゼビアとは
世界中の科学者や医師等が論文を発表する「学術雑誌」を多数発行しているオランダの大手出版社。科学や医学の世界の最新の知識を集め、それを世界中の研究者や医療関係者に届ける役割を担っている。膨大な論文は検索・分析できるようデータベース化されており、他に専門家向けの書籍なども提供している。創業は1880年。
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