大阪ガスケミカルでは、窒素を分離するためのプラント用の分子篩炭(CMS)だけでなく、バイオガスや天然ガス、都市ガスや混合ガス(水素と炭酸)等をメタンPSAや水素PSAを用いてメタン・水素・炭酸分離するためのプラント用の分子篩炭(CMS)を製造販売しています。大阪ガスケミカルの高品質な分子篩炭(CMS)を採用いただくことで、メタン製造、水素製造、天然ガス自動車、水素自動車等の実現へ向け、プラントのクォリティを高めることが可能です。

バイオマスから発生するバイオガスからメタンと炭酸を分離して高純度メタンを抽出(メタン化)するメタンPSAに用いる分子篩炭(CMS ※Carbon Molecular Sieve)や、高純度メタンや都市ガスを水蒸気と反応させて(水蒸気改質)水素と炭酸ガスの混合ガスを生成・分離・精製して高純度水素を抽出(水素化)する水素PSAに用いる分子篩炭(CMS ※Carbon Molecular Sieve)を、お客様ごとに異なる用途や使用条件に合わせてオーダーメイドで設計・計算いたします。まずは最適なラボサンプルをご提供しますので、お気軽にご相談ください。

PSA法の特徴

活性炭においてガスの吸着量は温度、ガス全圧、組成ガスの分圧(濃度)及び吸着速度等などに影響されます。これらのうち、圧力をスイングさせる手法が圧力スウィング吸着(Pressure Swing Adsorption, PSA)です。吸着量は圧力が高いと多く、圧力が低いと少なくなりますので、昇圧状態で吸着させたものを、減圧することで脱離させることができます。PSAは熱エネルギーを必要とせず、昇圧や減圧で吸脱着の条件を変動するためにスウィングサイクルの高速化が可能です。図に、常圧再生式PSAの基本フローを示します。原料ガスは一旦昇圧された後、CMSが充填された吸着塔Aに導かれ、加圧下で吸着されやすい成分が吸着されている間、吸着されにくい成分が製品ガスとして塔外へ取り出されます。吸着塔Aの出口側において吸着されやすい成分が漏れてきたら、吸着塔Bに運転を切り替え、吸着塔Aの圧力を下げます。すると、吸着塔Aに吸着されていた成分がそれぞれ脱離して、また吸着可能な状態になります。これを切り替えることで気体の成分を連続的に分けることができます。

分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )の説明・特徴

PSAに分子篩炭(CMS)を用いてガスを分離(吸着と脱着)するイメージ図
PSAに分子篩炭(CMS)を用いてガスを分離(吸着と脱着)するイメージ図

賦活度と細孔径を精密に制御した分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )は、吸着速度が異なる各ガスの分離を可能にします。

用途例

  • 窒素(N2)と酸素の分離
  • メタンガス(CH4)と炭酸ガスの分離
  • 水素(H2)とその他の物質の分離
  • プロパンガスとプロピレンの分離 各種ガス分離精製

製品特徴

  • 優れたPSA性能:窒素純度99.999%までご対応します。
  • 安定供給&安定性能:世界最大級の原料調達網を持ち、90年にわたる吸着剤製造の歴史があります。
  • 長い使用寿命:微粉化リスクを最小限に抑えられ、長いライフタイムを実現。
製品名 3K-172 3R-172 ZK-420
直径(mm) 18±0.2
充填密度(g/mL) 0.680~ 0.720
粒度(mm) 2.800~1.180 2.360~1.000 2.800~1.180
硬度(wt%) 98.0~ 93.0~ 93.0~
孔構造1~20ミクロン
孔構造1~20ミクロン

CMS使用事例:バイオガス・混合ガスを抽出するフロー(例)

バイオマス,嫌気性発酵,活性炭,脱硫・脱シロキサン,バイオガス抽出,分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve ),メタンPSA(メタン・炭酸分離),高純度メタン抽出,燃料電池,CNG(圧縮天然ガス),都市ガス,水蒸気改質,水素PSA(水素・炭酸分離、高純度水素を抽出,燃料電池,水素自動車

バイオマス,嫌気性発酵,活性炭,脱硫・脱シロキサン,バイオガス抽出,分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve ),メタンPSA(メタン・炭酸分離),高純度メタン抽出,燃料電池,CNG(圧縮天然ガス),都市ガス,水蒸気改質,水素PSA(水素・炭酸分離、高純度水素を抽出,燃料電池,水素自動車

抽出したバイオガスを分子篩炭(CMS)を用いたCH4-PSAにて処理し、メタン・炭酸分離

バイオマスを嫌気性発酵させたのち、活性炭により脱硫・脱シロキサン処理し、バイオガスを抽出します(バイオガス中のメタン濃度は50~60%)。抽出したバイオガスを分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )を用いたCH4-PSAにてメタン・炭酸分離し、メタン濃度を90%以上に精製します。高純度メタンは燃料電池、CNG(圧縮天然ガス)、都市ガス等に利用されています。

混合ガスを分子篩炭(CMS)を用いたH2-PSAにて処理し、水素・炭酸分離

抽出した高純度メタンを水蒸気と反応させ(水蒸気改質)、水素と炭酸の混合ガスに改質します。この混合ガスを分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )を用いたH2-PSAにて水素・炭酸分離すれば、高純度水素が得られます。高純度水素は、燃料電池、水素自動車に活用されています。

CMS使用事例:水素を抽出するフロー(例)

下水バイオガス原料による水素抽出事例

下水バイオガス原料による水素抽出事例

下水バイオガス原料による水素抽出事例

バイオガスを分子篩炭(CMS)を用いたCH4-PSA、H2-PSAにて処理し、水素やメタンを分離

下水汚泥処理設備(消化槽)から嫌気性発酵によって得られたメタンガスと二酸化炭素の混合ガスをまず脱硫装置、脱シロキサン装置にて精製します。次に、分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )を用いたCH4-PSAにてメタン・炭酸ガス分離し、メタンガス純度を90%以上に精製します。
高純度メタンを更に水蒸気改質し、分子篩炭( CMS ※Carbon Molecular Sieve )を用いたH2-PSAにて水素・炭酸ガス分離し、高純度水素(水素90%以上)を抽出します。

大阪ガスケミカルグループの活性炭事業および分子篩炭のシェア

大阪ガスケミカルグループは、売上高・生産能力ともに国内1位、世界2位の規模(2016年4月現在)であり、分子篩炭(CMS ※Carbon Molecular Sieve )の生産能力・シェア世界1位(2015年実績)です。

大阪ガスケミカルグループ26%、競合他社20%、中国系メーカー(計)51%、その他21%

CMS生産能力の世界シェア 2015年実績

各種活性炭(破砕、粉末、ペレット)
各種活性炭(破砕、粉末、ペレット)

関連する論文と掲載紙のご紹介

ACS Applied Materials & Interfaces
April 20, 2022Volume 14, Issue 15Pages 16959-18004
https://pubs.acs.org/toc/aamick/14/15

概要
プロピレンとプロパンを効率的かつ高純度に分離できるCMS(Carbon Molecular Shieve)の合成とその分離機構の解明を目的として、過去の研究 https://doi.org/10.1016/j.carbon.2018.10.021 で得られた知見を基にCMSの合成実験とCVD(Chemical Vapor Deposition)シミュレーションを用いた検討を実施した。
CMSの合成実験、CVDシミュレーションおよびシンプルモデルによる解析を行った結果、プロピレンとプロパンの分離特性に関して以下の3つのことを解明した。
1つ目はCVD時の炭素導入量により分離特性を制御可能であること。2つ目はCMSの細孔入口径の精密な制御が重要であること。3つ目はCMSの細孔入口のアスペクト比の制御が重要であり、具体的には細孔入口の形状がスリット状よりも正方形状の方が好ましいこと。これらの成果よりプロパンとプロピレンの混合ガス中においてプロピレンのみを選択的に吸着するCMSの合成に成功した。

背景
PSA(Pressure Swing Adsorption)法は、圧力の変化を利用して吸着剤でのガスの吸着・脱離を行うガス吸着法の一つである。PSA法は、従来の混合ガスを大がかりな装置にて高圧下で蒸留し、沸点の差を利用してプロピレンとプロパンを分離し取り出す方法と比較すると大幅なコストダウンが可能である。大阪ガスケミカルでは、石油精製時や原料油の熱分解時に発生する混合ガスの中からプロピレンとプロパンを選択的に取り出すためのCMSの開発に取り組んでいる。

ACS Applied Materials & Interfaces は、アメリカ化学会(American Chemical Society, ACS)が発行する、科学と工学の分野を横断する学術雑誌です。この雑誌は、新しい素材がどのように作られ、何に応用できるかという研究に焦点を当てています。具体的には、化学、物理学、生物学、工学などの様々な分野で開発された新素材が、エレクトロニクス、エネルギー貯蔵、バイオテクノロジー、環境浄化といった現実世界の課題解決にどのように役立つかを探求する論文を掲載しています。

Carbon
Volume 141, January 2019, Pages 626-634
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2018.10.021

概要
気相分離用のカーボンモレキュラーシーブ(CMS)の合成の設計ガイドラインを探るため、コンピュータ上で分子の挙動をシミュレーションしたり大量のデータを解析した。その結果、CMS細孔口径サイズや形状および拡散速度を加味した理想的な炭素細孔構造を構築することができた。

背景
CMSは、その細孔口径のサイズがターゲットの吸着物分子に適合するように精密に設計・調整された多孔質炭素材料で、ターゲットの吸着分子サイズごとに反応速度が異なる性質を利用した吸着法(=圧力スイング吸着)で用いられる。今後ますます様々な用途において種々のガス混合物の分離にCMSを活用していくためには、ガス分離機構をより深く理解し最適なCMS合成をする必要があり、そのための設計ガイドラインを策定することは大変重要といえる。

「Carbon」誌について
炭素でできた様々な材料の研究について発表する、世界中の専門家が集まる科学雑誌。発行元はエルゼビア。

エルゼビアとは
世界中の科学者や医師等が論文を発表する「学術雑誌」を多数発行しているオランダの大手出版社。科学や医学の世界の最新の知識を集め、それを世界中の研究者や医療関係者に届ける役割を担っている。膨大な論文は検索・分析できるようデータベース化されており、他に専門家向けの書籍なども提供している。創業は1880年。

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