Our Business事業を知る

PROJECT

大阪ガスケミカルには、「ファイン材料事業」「保存剤事業」「炭素材料事業」「活性炭事業」の大きく4つの事業分野があります。
それぞれの分野で、素材の研究開発や加工品の製造、販売などを行い、国内・世界の市場を舞台に幅広く事業を展開しています。

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ファイン材料事業

デジタル家電や通信機器、環境問題など
最先端のニーズに応える新素材を開発・提供しています。

ファイン材料とは

大阪ガスケミカルのファイン材料は、石炭を高温で蒸し焼きにする際に生成されたコールタールの利用技術開発で培った有機合成技術・ポリマー技術・配合技術・成形技術などを活用して開発・製造した高付加価値な化学製品です。スマートフォンのカメラレンズやディスプレイ、半導体関連素材、AR・VRヘッドマウントディスプレイ、自動運転センサーなど、高度化するデジタル家電を中心に生活に身近な製品の小型化や高性能化を実現しています。当社はその製品群の元となるフルオレンのパイオニアとして、数々のフルオレン誘導体を提供しています。

ファイン材料のここがすごい!

世の中にスマートフォンが登場した当時に比べ、本体の厚みは徐々に薄くなっていますが、そこにはカメラレンズの性能向上が一役買っています。スマートフォンのカメラは、複数枚のレンズが重なってできており、そのレンズに使われる素材が高性能化することで、より薄いレンズを作ることができます。また、最近は薄さだけではなくカメラ自体の要求性能が上がっています。それらを実現するために、当社の提供するカメラレンズ用の光学樹脂が貢献しています。このような素材の開発が進むことで、みなさんが日々使用する製品の進化に貢献することができるのです。中でも当社の製品は、お客さまから高い評価をいただいており、世の中に出回る多くのスマートフォンに使用されています。

未来に向けての取り組み

話題の4K、8Kといった高性能の液晶テレビや有機ELテレビにも、当社の材料が使われています。他には、ディスプレイ需要の拡がるパソコン、タブレット、スマートフォンなどのデジタルデバイス、電車の広告、駅のデジタルサイネージには様々なフィルムやコーティング剤、接着剤などが用いられており、その中の液晶ディスプレイを明るくする輝度向上フィルムや、表示をきめ細かくする高精細カラーフィルタにフルオレン誘導体が多く使われています。当社はディスプレイには欠かせない材料の供給メーカーとして業界でも確固たるポジションを築いており、フレキシブルディスプレイへの対応など、さらなる性能向上のニーズに対応するため、新しい材料開発を進めています。

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保存剤事業

木材や繊維、プラスチック等、様々な素材を守る
保存剤の開発・販売を行っています。

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保存剤事業とは

木造建築物を劣化や腐朽、シロアリから保護する木材保存剤や、幅広い産業分野で製造工程に潜む微生物による汚染被害を防ぐ工業用保存剤。これらは数多くの歴史的建造物、重要文化財、国宝の美観保護や維持補修に使用されたり、塗料・壁紙・接着剤・消臭剤・エアコン用フィルターといった工業製品の微生物・防虫対策に使用されています。

保存剤のここがすごい!

1971年の発売当初から、日本人の身近な素材であり、日本の気候風土に適した優れた調湿性と断熱性を持つ木材と真摯に向き合ってきました。日本には四季があるため、気候の変化によってさまざまな影響を受けますが、木材独自の木目や色合い、滑らかな手触り、自然を感じさせるやさしい香りを活かしながら、日光や風雨、カビや菌の付着、害虫などの「自然の外敵」から木材を守るための塗料作りにこだわって製品を提供してきました。 そんな、こだわり抜かれた品質は高く評価され、数多くの文化財や公共施設などで使用され、国内シェアNo.1、プロが選ぶ塗料として支持いただいています。

未来に向けての取り組み

当社では長きに渡り、木材保護塗料や工業用保存剤、表面加工事業を営む中で、調色・配合・分散・マイクロカプセル・機能性成分・樹脂合成など幅広い要素技術を培ってきました。近年ではその要素技術を多方面に展開。塗料の配合・分散技術を応用した化粧品原料やシロアリ防除剤のマイクロカプセル化技術を応用した特殊機能性樹脂添加剤、表面加工の技術を応用した機能性コーティングなどの新規事業に挑戦し、事業の多軸化を図っています。

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炭素材料事業

炭素の無限の可能性を信じて、
幅広いニーズに応える商品を開発・提供しています。

炭素材料とは

大阪ガスケミカルの炭素材料は、石炭を高温で蒸し焼きにする際に生成されたコールタールの副生成物であるピッチを原料とし、独自の紡糸・焼成技術で製品化した等方性ピッチ系炭素繊維「ドナカーボ」とその応用製品があります。応用製品は断熱材として、世界中の鉄道車輌に使用され、更には機器のシステムに用いられる半導体、また小型でありながら高電圧・大電流を必要とするインバータに用いられるパワー半導体などの結晶製造炉にも使用されます。このように人々の暮らしが豊かになる手助けをドナカーボが担っており、未来への可能性を秘めた素材を開発・製造・販売しています。

炭素材料のここがすごい!

ドナカーボにしかない独特な形状を利用して作られるドナクールライト(軽量断熱材)は、不燃・吸音の特性に加え施工しやすいことから新幹線をはじめ世界の鉄道車輌用の断熱材として使用されています。このドナクールライトは車体と客室内壁の間に敷き詰められており、客室内の快適な温度を保ち、車外の騒音を抑え、万が一の火災時にも燃えない、といった車内空間の構築や安全を守るために役立っています。かつて鉄道車輌用断熱材にはガラス繊維が使用されていましたが、ドナクールライトはガラス繊維よりも軽く断熱性能も良いことから車輌の軽量化にも貢献。車輌を動かす電力の低減にも繋がることからますます普及が進んでいます。

未来に向けての取り組み

ドナカーボを使った断熱材は高温の焼成炉には不可欠であり、金属が溶ける1000℃以上の温度下で使用できます。例えば、世界中に存在するデジタル家電製品や社会インフラを支える精密機器などに欠かせない半導体Si(シリコン)を作るため、Si結晶炉にドナカーボ断熱材が使われます。また情報通信の発展に伴い、システムの小型化・軽量化・電力損失低減に大きく貢献するパワー半導体SiC(炭化ケイ素)のニーズが高まっており、そのSiC結晶炉にもドナカーボ断熱材が使われます。このように当社の高純度な断熱材には「不純物が含まれない金属の結晶を作ることが出来る」という強みがあります。これからも社会に貢献できる、お客さまニーズに合わせた断熱材を提供できるよう、さらなる開発を進めていきます。

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活性炭事業

世界トップクラスの活性炭メーカーとして、
豊かな生活と環境改善に世界中で貢献します。

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活性炭とは

活性炭は、不純物などの吸着や、必要な物質とそうでない物質に分離することのできる素材として古くから利用されてきました。現代においても食品、酒、医薬品などの製造工程での精製、浄水器・空気清浄機やたばこのフィルターなどの生活用品・嗜好品のほか、浄水場や下水処理場での水質改善や脱臭、ごみ処理場でのダイオキシンの除去、化学工場での揮発性物質の回収、触媒への応用など、豊かな生活と環境や自然との共生を支える大切な役割を果たしています。

活性炭のここがすごい!

大阪ガスケミカルでは、世界に広がる関係会社と連携しながらグローバルに原料調達し、お客さまのニーズに合わせた形状(粉末状や粒状、繊維状)や機能を持った活性炭を製造。さらに、浄水器用のカートリッジや空気清浄機のフィルターなどの、活性炭を使用した加工製品(最終製品)に至るまで一貫して対応することにより、お客さまのあらゆるニーズにお応えしています。数ある加工製品の専門メーカーや活性炭の専門メーカーの中でも、素材となる活性炭から加工製品までを一貫して提案できる唯一のメーカーで、どちらにも精通しているということは当社の大きな強みとなっています。

未来に向けての取り組み

大阪ガスケミカルは、武田薬品工業が1936年にドイツから技術を導入して製造・販売を開始した“白鷺”ブランドの約80年の歴史と、大阪ガスの石炭化学技術を応用した繊維状活性炭を引き継ぐ、活性炭大手メーカーです。2014年にJacobi Carbons社をグループに加えたことにより、Jacobi社の得意とする徹底したコストダウンによる価格競争力の高い製品をラインナップに追加。互いの強みを活かし、幅広いニーズに答えられる製品を保有する世界トップクラスのグローバル活性炭メーカーとなりました。