ACS Applied Materials & Interfaces
April 20, 2022Volume 14, Issue 15Pages 16959-18004
https://pubs.acs.org/toc/aamick/14/15
概要
プロピレンとプロパンを効率的かつ高純度に分離できるCMS(Carbon Molecular Shieve)の合成とその分離機構の解明を目的として、過去の研究 https://doi.org/10.1016/j.carbon.2018.10.021 で得られた知見を基にCMSの合成実験とCVD(Chemical Vapor Deposition)シミュレーションを用いた検討を実施した。
CMSの合成実験、CVDシミュレーションおよびシンプルモデルによる解析を行った結果、プロピレンとプロパンの分離特性に関して以下の3つのことを解明した。
1つ目はCVD時の炭素導入量により分離特性を制御可能であること。2つ目はCMSの細孔入口径の精密な制御が重要であること。3つ目はCMSの細孔入口のアスペクト比の制御が重要であり、具体的には細孔入口の形状がスリット状よりも正方形状の方が好ましいこと。これらの成果よりプロパンとプロピレンの混合ガス中においてプロピレンのみを選択的に吸着するCMSの合成に成功した。
背景
PSA(Pressure Swing Adsorption)法は、圧力の変化を利用して吸着剤でのガスの吸着・脱離を行うガス吸着法の一つである。PSA法は、従来の混合ガスを大がかりな装置にて高圧下で蒸留し、沸点の差を利用してプロピレンとプロパンを分離し取り出す方法と比較すると大幅なコストダウンが可能である。大阪ガスケミカルでは、石油精製時や原料油の熱分解時に発生する混合ガスの中からプロピレンとプロパンを選択的に取り出すためのCMSの開発に取り組んでいる。
ACS Applied Materials & Interfaces
ACS Applied Materials & Interfaces は、材料科学・応用化学分野におけるトップレベルの学術雑誌です。
ACS Appl. Mater. Interfaces(掲載2022年)
Impact Factor:9.5
Carbon
Volume 141, January 2019, Pages 626-634
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2018.10.021
概要
気相分離用のカーボンモレキュラーシーブ(CMS)の合成の設計ガイドラインを探るため、コンピュータ上で分子の挙動をシミュレーションしたり大量のデータを解析した。その結果、CMS細孔口径サイズや形状および拡散速度を加味した理想的な炭素細孔構造を構築することができた。
背景
CMSは、その細孔口径のサイズがターゲットの吸着物分子に適合するように精密に設計・調整された多孔質炭素材料で、ターゲットの吸着分子サイズごとに反応速度が異なる性質を利用した吸着法(=圧力スイング吸着)で用いられる。今後ますます様々な用途において種々のガス混合物の分離にCMSを活用していくためには、ガス分離機構をより深く理解し最適なCMS合成をする必要があり、そのための設計ガイドラインを策定することは大変重要といえる。
Carbon
Carbon は、炭素材料分野における世界最高水準の学術雑誌です。
Carbon(掲載2019年)
Impact Factor:8.821